元々、鍼灸やマッサージの国家資格を取って治療室を営んでいました。 なるべく薬に頼らず健康を維持できる方法を学び、人様の役に立てればという気持ちで始めたのです。 『身体には自ら治す自然治癒力という力が備わっている。』 そのフレーズにとても魅力を感じていたことを覚えています。 1991年10月1日にアパートの一室で開業しました。 4か月後に建て替えで取り壊すという理由で礼金、敷金なしで借りることが出来ました。 23歳の私にはそれが開業に踏み切れた大きな理由でした。この時のことは今でも感謝しています。 当時は実家暮らしでしたので、4か月間で貯めたお金で次の物件に移りました。 その後2回治療室を移転して、患者さんも定着したのですが、 なんだか心に引っかかるものがありました。 ・それは自然治癒力とは何かということ。 ・どのように身体に働いているのかということ。 ・自分が施す治療がどのように治癒力に影響しているのかということ。 ・治療により自然治癒力が増えているのか、活性化しているのか、引き出せているのか。 つまり自然治癒力が何かはっきりとしないまま、治療を続けていたのです。 唯一目安にしていたことは患者さんの感想でした。 色々な治療セミナーや勉強会にも行きました。 でも大半が腰痛の治療というように、症状に合わせたテクニックを学ぶ場でした。 そんな中、友人が首一箇所しか調整しないカイロがあると教えてくれました。 首、カイロと聞いてまず危なくないのかと思いました。 しかも、どのような症状に対しても首しか調整しないということに疑問を持ちました。 痛い部分だけではなく、全身を診るべきという考えで毎日治療をしていましたから。 当時の私もそうでしたから、初めての方が半信半疑なのは当たり前だと思います。 そしてすっかり、その首一箇所のカイロのことも忘れていました。 その後何年くらい経ったでしょうか、 治療を学ぶ中で頭と首の繋ぎ目(後頭果)の施術に手応えを感じていました。 また直観的にここには何かあると感じていました。 そんな時、ふと友人が教えてくれた首一箇所しか調整しないカイロを思い出したのです。 そして改めて考えました。 ・首一箇所のみの調整が全く効果のないものだとしたら、そもそも職業として成り立たないのではないだろうか。 ・ましてや首の調整自体にリスクがあるとしたら、これまた職業として存続しないだろう。 ・さらに言うと、首一箇所のみの調整なのだから、症状に対してのテクニックではない。 ・ということは、これまで長年追い続けていた自然治癒力による回復を促す為の調整ということではないか。 そう思うとじっとしていられません。 直ぐに受けに行きました。 アジャスト後すぐに身体が熱くなり、身体の中に何かが流れている感じがしました。 これは初めての体験でした。首一箇所でこんなに体感するのかと感動を覚えました。 只、自分が上部頸椎カイロを実践して分かったのですが、体感は個人差があり、何も感じない人もいます。 そして何よりも説得力があったのが、 検査で客観的に状態を確認できるということ。 患者さんの感想のみを施術の効果の判断としていた当時の自分には目から鱗でした。 状態の良し悪しは患者さんの感想を聞いて判断するのではなく、 検査を通して施術者が患者さんに伝えることなのだと。 上部頸椎カイロプラクティックを学び、 2001年10月1日に屋号、業態を変え、 上部頸椎カイロプラクティックをスタートしました。 保健所に廃業届を提出しに行った時、 なんで国家資格を捨ててまでという顔をされていましたが、迷いはありませんでした。 取り壊すアパートの一室で治療室を始めた時から丁度10年目のことでした。 このブログではその後の20年、 上部頸椎カイロプラクティックを実践してきて経験したこと、 患者さんに教えられたこと、そして日々の中で気づいたことなどを書いていこう思います。 どうぞ宜しくお願いします。 |