首の安定は身体の安定 大道芸の皿回しを思い浮かべてみてください。 高速で回っている皿は安定しています。 スピードが緩んでくると安定が悪くなります。 安定の悪い皿を支える為に棒はしなります。 同様に首の安定が悪いと背骨を曲げて頭を支えます。 曲がった背骨(棒)を治療するのではなく、上部頸椎のアジャストメントで 頭部(皿)が安定すると背骨(棒)に変化が見られます。 こちらの患者さんは頭部の安定が悪くなると身体が右に傾きます。 そのような姿勢をとることで身体を支えてます。 只、この姿勢で過ごすと疲れますし、体調を崩しやすくなります。 2月5日 アジャスト後、姿勢の変化が確認できます。 しかし日常生活において同じ行動パターンの繰り返しや 無意識の癖などで首と頭の安定が悪くなり同様の姿勢に戻ることがあります。 5月13日 3か月経つと再び右に傾いています。 また色々試みたそうですが一か月ほど蕁麻疹が出ているとのことでした。 8月23日 今回は夏バテでいらっしゃいました。 前回アジャスト後、蕁麻疹は消えたそうです。 右に傾いていません。 3か月前のアジャスト後より姿勢が良くなっています。 前回アジャスト後より一つの習慣を生活に取り入れたそうです。 肩の巻き込みを注意して胸を開いて肩甲骨を内側に寄せる これは非常に重要です。 肩甲骨を内側に寄せることについては 座り方のヒント という記事に詳しく書いていますので、 併せて読んで頂ければと思います。 人間は第一頸椎の上に顔があります。 チンパンジーは第一頸椎の前に顔があります。 PCやスマホを見ている現在、顔は前傾していませんか。 肩甲骨は鎖骨と繋がっていますので、 鎖骨を開いて両肩甲骨を内側に寄せてみて下さい。 少し顔が上に来ますよね。意識して習慣にして頂きたいです。 上部頸椎カイロプラクティックは 週数回×数か月というような姿勢矯正プログラムではありません。 アジャスト後は患者さんのイネイトに委ねる自然療法です。 只、日常生活においてイネイト(治癒力)による仕事(調整)を邪魔することが多いことも事実。 そのような中、簡単に取り入れられる習慣がイネイトの手助けになることを確認出来ました。 姿勢は良くなりましたが再アジャスト。 骨盤が微調整されパンツの裾が揃っています。 首一箇所、二度の調整で半年前と後姿別人 ご本人に了解を得て写真を掲載させて頂きました。ありがとうございました。 上部頸椎のアジャストにより 上部頸椎サブラクセイションが取り除かれ、 イネイトによる身体の調整が始まります。 その過程において反応が出ることがあります。 ※上部頸椎サブラクセイションとは上部頸椎の変位により生じた脳からの神経伝達妨害 反応は悪いことではなく、むしろ良いことなのですが、 知らないと不安になることもありますので、今回はそのことについて書いていきます。 よくある反応 いつ、どのような反応が出るのかは 患者さん自身のイネイトが決めることなので私には分かりませんが、 いくつか傾向があります。 1. ポカポカ温かくなる 血管が拡張し血流が良くなることで体温が上がり、そのように感じる方が多くいます。 2. 一時的に痛みが強くなる 血管が拡張することで一時的に腕の痺れ、患部の痛みが強くなる、また痒みが出ることがあります。 低体温の人は微熱が出ることがあります。 3. 古傷に何か感じる 以前ケガなどで痛めた部分、現在症状は気にならなくなりましたが、 完全に自然治癒されてない場合、その部分に何かを感じることがあります。 リトレーシング(retracing : 辿りなおすこと、遡って調べること) と言います。 例)過去に捻挫した足首が疼くなど。 4. 下痢をすることがある アレルギーで腸に問題がある場合などに起こります。 薬で止めず、脱水予防に水分を摂って下さい。 5.日常的に酷使している部分・潜伏している症状 これらは反応の一部ですが、皆さん何らかの心当たりがあることが多いようです。 主訴と関係ないことも多く、イネイトの診断により調整が行われていきます。 いつ頃出るのか 一つの目安ですが、 上部頸椎をアジャストして5分間、横向きの姿勢でいます。 この間に手足が温かい、ポカポカする、手が痺れる、患部が痛い、 呼吸が楽、何か流れている等と言われることが多いです。 その後、休息ベッドで40分休んで頂きますが、 その間も上記と同様のことを言われることが多いです。 また、もの凄く眠いとか、身体が軽い、重いなど、人により様々です。 オフィスにいる間は何も感じなくても、 アジャスト後3~4日の間に何かしらの反応を感じることが多いです。 中には数週間後に出る場合もありますので確かなことは言えません。 わたしの反応体験 はじめて上部頸椎のアジャストを受けた後、 翌日から口内炎が同時に5つくらい出来ました。 食事、特に醤油が染みて痛かったです。 当時は上部頸椎カイロプラクティックの知識はなく、 口内炎がアジャスト後の反応ということも気付かず、 同時多発で出来たことに病気かと思い、近くの内科に行きました。 何もしないで帰されたことを覚えています。 今思えば20代は時々口内炎が出来ていました。 食生活をはじめ不規則な生活をしていたので 潜伏していた症状が出たと思っています。 これは20年以上前の話ですが、 以降一度も口内炎が出来たことはないです。 毎回起こる反応はアジャスト後1時間ほど 左腰に捻じられるような重い痛みを感じます。 「普段左腰に負担が掛かっているんだなぁ。」 と思いながらイネイトに調整されていることを味わっています。 強い反応 初回でいらした患者さんの状態やカルテに書かれている既往歴、 服用している薬の種類や数、薬で症状を抑えている期間などから、 アジャスト後に強い反応が出るかもしれないと予測が出来ます。 その場合、 「もしかしたら、反応で辛い思いをするかもしれない。」と少し大袈裟に伝えます。 「今日は説明だけで、家で検討してからでも大丈夫です。」とも伝えます。 このような説明に決心されて受けられた方でさえ、 想像の遥か上を行く反応に困惑されることもあります。 反応を道路工事に例えますと、 工事に伴い、騒音、振動、粉塵、渋滞などが発生します。 これらは喜ばしい事ではないですが、 道路や水道管などが一新される過程に起こることです。 反応もイネイトによる身体の調整過程に感じること。 道路工事は半日で終わるものも、数日かかる場合もあります。 身体における反応も同じです。 本人が思っている以上に身体が酷使されていて、 数日仕事を休むほどの反応が出ることがあります。 後日付き添われて検査にいらっしゃいますが、 検査データは全て良くなっているので何もすることはありません。 この場合、辛い=悪化ではありません。辛いけど良くなっているのです。 登山で頂上近辺が辛いように強い反応には必ずピークがありますので 反応が治まるのを待っていただきます。 我慢できずに薬を服用しても、 いつも効いていた薬が効かないと言われることもあります。 何故かはわかりません。 只、このようなケースは稀です。 当オフィスでは大体1000人に1人くらいの確率です。 上部頸椎カイロプラクティックには反応が付き物で、 上部頸椎をアジャストしてイネイトに任せて終わりではありません。 強い反応が出た時の患者さんへのサポートが重要です。 体調不良という岸 から 体調良好という対岸に向けて あなたを舟に乗せて送り出します。 それがアジャストメントです。 水面が凪いでいれば気が付けば対岸に着いているでしょう。 荒波の場合は少ししんどいかもしれません。 船頭はあなた自身のイネイト。 私は検査を通して客観的に状況をモニターしサポートします。 強い反応を体験された方でその後もメンテナンスでいらっしゃる方がいます。 反応の様子を一番近くで見ていた家族の方が受けにいらっしゃいます。 反応で動けず仕事を休んだ職場の同僚の方々が受けにいらっしゃいます。 感謝の気持ちでいっぱいになります。 記憶に残っていること 骨がコクんと勝手に動いている。頭蓋骨が動いている。などなど。 色々な反応を聞くたびに当初は不思議な気持ちになっていました。 上部頸椎カイロプラクティックを始めて間もない頃に患者さんが言われたことを覚えています。 当時60代の女性の方です。 若い頃、陸上選手で膝の手術をされていました。 二回目の検査にいらした時、右膝から糸が出てきたと言われていました。 それが何なのか私は分かりません。 先生、先輩から長年上部頸椎カイロプラクティックをやっていると、 そのようなことは普通にあると当時言われたことを覚えています。 おわりに
民間療法において施術によって悪くなっているのに、好転反応と偽る治療師が いるから注意した方が良いというようなネット記事を読んだことがあります。 私も以前、鍼灸やマッサージをやっていたこともあるので分かるのですが、 鍼灸治療におけるオーバードーゼ(刺激過多)、マッサージの揉み返し、骨格矯正による事故と 上部頸椎のアジャスト後の反応とは明らかに質が異なります。 アジャストのミスにより膝から糸が出たり、閉経後に月経が来たりはしません。 アジャスト後の反応は全ての人に出る訳ではありません。 また、何も感じないと効果がないということでもありません。 生きている身体には一つの法則が働いています。 Above down inside out 上から下へ、内から外へ これはイネイトの働き(流れの方向)を示しています。 Above down アジャスト後、末梢に向けて温かくなることがあります。 腰から大腿、ふくらはぎへと痛みが移動し抜けていくことが多いです。 inside out 口内炎、下痢など必要に応じて内から外へ出します。 それらに対して湿布を貼る、薬を服用するということは outside in であり、 イネイトの仕事を邪魔します。 ですので、 我慢できれば反応に対して湿布や鎮痛剤を服用せずに様子をみて下さいと伝えます。 勿論、強制ではありません。 他の療法との併用を勧めないことも、同じ理由です。 以上、アジャスト後の反応の話でした。 下図はアジャストメント後の回復過程のパターンです。 自然治癒力による回復は時間の経過が必要。 2回目以降の検査はいつ受けるのが理想なのか? 今回はそのことを書いていきますので、どうぞ参考にしてください。 ①健康レベル下降ライン 上部頸椎のズレなど諸々の要因から身体機能が低下してきている状態です。 特に体調不良の自覚はない場合もあります。 ②症状エリア 痛みなどの症状が現れるエリアです。 ③アジャストメント 上部頸椎をアジャストした日です。 これから自然治癒による身体の再建が時間と共に行われていきます。 Ⅰ 回復パターンⅠ アジャストメント後、比較的早く症状が消え、体調がみるみるうちに良くなっていくタイプです。 Ⅱ 回復パターンⅡ ゆっくりと変化し、当初は症状にあまり変化を感じないタイプ、全体的に良好だが主訴の改善はまだ実感できないタイプです。 Ⅲ 回復パターンⅢ 主訴以外の改善は認められるが、主訴に関しては物質の限界に達しているタイプ。 ※物質の限界とは進行しすぎた病巣など自然治癒では改善が難しい状態を指します。 Ⅳ メンテナンス・予防 月に一度、二か月に一度、ワンシーズンに一度、半年に一度などご自分で予定を決められて上部頸椎のチェックをお勧めします。 二回目以降の検査 二回目の検査はアジャスト後2~4週間後にいらして頂き、 もう一度アジャストした方が良いか、アジャストせずに様子を見た方が良いかを判断します。 患者さん自身が抱える問題がこの時点で解決されていれば終了です。 次回以降はメンテナンスや予防でいらしてください。 検査に問題がなければ、上部頸椎の安定は保っており、 症状に変化が見られなくても、自然治癒力による回復の過程にあると判断します。 更に一か月空けて再び確認にいらして頂きます。 調子が良くない場合は少し早めに確認します。 それからは同様に一か月空けての検査を5か月間ほど確認し必要時にアジャストします。 ※このスケジュールは一つの目安として参考にしてください。 23.9日 上部頸椎カイロプラクティックの創始者BJパーマーは一人の患者さんに 平均23.9日の合間を置いてアジャストを行っていると語っています。 当時のBJパーマークリニックは入院施設があり、毎日同じ時間帯に サブラクセイションチェックをしてアジャストの必要性を確認しました。 膨大なデータから割り出した数字、それが23.9日です。 そのような観点からも自身の問題が解決するまでは、 月に一度の検査と必要な場合はアジャストメントを推奨しています。 ※気になることがありましたら、上記の間隔を待たずにチェックにいらして下さい。 症状緩和を目的に薬の服用を続け、上部頸椎のズレを放置することが結果的に回復を遅らせます。 また、強い症状で生活に支障を来している場合は臨機応変に対応しております。 お気軽にご相談ください。 最後に改めて下図を見てください。 ①健康レベル下降ライン:症状が出るまで、どれ位の時間が経過したか。
②症状エリア:アジャスト時、症状の発現は1週間前からか1年前からか。 快方へ向かうことと同様、身体機能の低下や悪化にも時間が掛かっています。 深い傷が塞がるにはそれなりの時間を要するということ。 このようなことも回復に要する時間に関係します。 只、長く患っている方がパターンⅠで回復することもあります。 イネイト(治癒力)は人知を超えていると思い知らされる時です。 上部頸椎カイロプラクティックの創始者であり、 カイロプラクティックの発展者(chiropractic developer)と呼ばれたBJパーマーが 自身のカイロプラクター観についてつづった文があります。 一般的なカイロプラクターのイメージは 背骨をボキボキ矯正する整体師という感じでしょうか。 上記の英文には 肩こりや腰痛の治療、姿勢矯正、骨盤調整、 更に言うと背骨というワードさえ出てきません。 要点は次の3つ。 I do not prescribe , treat or diagnose conditions. 私は体調の治療や診断、処方はしない。 診断や薬の処方は医師の特権です。 医師以外は診断出来ませんが、コンディションを把握するために 筋肉の緊張や関節の可動制限などを確認して、 どのように治療をするのか診立てが必要となります。 しかし上部頸椎カイロプラクティックでは診立てすらしません。 理由は後述します。 I use only my hands. 使うのは手だけ。 I work with that "MYSTERIOUS SOMETHING" which created my body from two cells. 私は二つの細胞から私の身体を創造した「神秘的な何か」と共に働きます。 神秘的な何かとは前記事に書いたイネイトのことです。 ポイントは 2つの細胞から私の身体を創造したというところ。 この場合、施術者が自身のイネイトと協力するということ。 つまりカイロプラクターとは本来 「診断や治療は一切せずに、手によるアジャストメントを通してイネイトと共に働く」 という独自性が強い職業。 健康に貢献する為に身体に携わること以外は医療と真逆です。 ※自然観や人生観が違うように、カイロプラクターにも様々なカイロプラクティック観があります。 診立てを必要としない理由
診立ての対象は症状です。 症状とは身体が今こういう状態であると教えるサイン。 つまり結果の説明です。 結果に対しての診断。 結果しての治療。 結果に対しての処方。 これを医療行為と言います。 上部頸椎カイロプラクティックは症状という結果ではなく原因を対象にしている為、 診立てをする必要がありません。 但し、上部頸椎のズレが病気や症状の原因だと言っているわけではありません。 自身(イネイト、自然治癒力)による回復を妨げている原因です。 ※睡眠不足などの不規則な生活習慣も回復を妨げます。 |