左腕の痺れ(医療機関にて頸椎性神経根症との診断)と 右股関節の痛み(変形性股関節症との診断)で昨年いらした患者さん。 アジャスト翌日には歩行が楽になったと連絡が入り、 3週間後に検査にいらっしゃいましたが、腕の痺れは依然あるとのこと。 只、検査の結果サブラクセイション(上部頸椎変位による神経伝達妨害)はなかったので、 ノーアジャスト(調整なし)で暫く様子を見て頂くことになりました。 その後、ひと月程経過した時、ご紹介頂いたご友人から ○○さん、痺れも消えて喜ばれていますと連絡がありました。 そしてこの度検査にいらっしゃいました。アジャストから一年後です。 痺れもなく歩行も問題なく過ごされているとのこと。 サブラクセイションなしのノーアジャストでした。 昨年、アジャストした3週間後の検査にて痺れがあるにも拘らず調整しなかったこと。 そして一年後、再び調整しなかったこと。 共に症状の有無は関係なく、上部頸椎サブラクセイションを確認しての判断です。 カイロプラクティックの対象は病気や症状ではありません。 つまり頸椎性神経根症も変形性股関節症も診ていないのです。 病気や症状の治療は手術や薬を用いて医師が行います。 カイロプラクティックはサブラクセイションをアジャストメントで取り除いた後は 自らの身体に備わった自然治癒力(イネイト・インテリジェンス)に任せ、 その後は検査を通して必要ならばアジャストします。 Safety Pin Cycle(安全ピンサイクル)というシンプルな例えがあります。 安全ピンの両端が脳と身体、ピンが神経です。 ピンが納まった状態は脳が神経を通してしっかりと身体と繋がっている状態。 身体がイージーモード(楽に過ごせ)、症状も回復のレールに乗っています。 ※身体の異変を求心性神経を通して脳に知らせる ⇒ 脳から遠心性神経を通して時間を掛けて修復する。 アジャストの目的はこのような状態で日々過ごして頂くことです。 一方、ピンが外れてコネクト出来ていない状態。 上部頸椎の変位によりにより神経伝達妨害が生じています。 身体の不調、疲れやすい、なかなか良くならないなど。 この状態で長年治療や薬を続けられている方も少なくありません。 身体のしくみを先述した患者さんを例に説明します。
左腕の痺れ、右股関節の痛みは共に身体の異変として 神経を通して送られた信号を脳が感知したことです。 次に脳は神経を介して身体の故障したところを修復します。 自然治癒力です。 これは生きているから起こりえることであり、 私たちの自覚のないところで生涯このことの繰り返しています。 只、場合によっては中々回復しないということもあるでしょう。 そのような時に行うことは、症状を和らげる治療ではありません。 脳と身体を繋ぐ神経伝達を確認し、アジャストメントでコネクトさせることです。 進行し過ぎた病巣など自然治癒力の適応を超えたものは難しいですが、 治る力はあなたの内側にあるということを覚えておいてください。 それを最大限に働かせることのみを実践しています。 アジャストメントの前後に脊柱両側の皮膚表面温度を測定します。 この検査はリーディングと呼ばれ、患者さんの上部頸椎サブラクセイション(上部頸椎の変位による神経伝達妨害) の有無を確認するもので、アジャストを行うか、行わないのかの判断材料となります。 上部頸椎カイロプラクティックにおいては特に上部頸椎部の左右の温度差が 患者さん特有の波形(サブラクセイションパターン)となり現れますので、そこに着目します。 ある患者さんの上部頸椎サブラクセイションパターン(○で囲んだ部分)。 この検査ではそれ以外も情報を得ることが出来ますので、今回はそのことについて書いていきます。 脊柱とは7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎(計24個の椎骨)+仙骨、尾骨を言います。 構成する24の椎骨それぞれ中心部には孔(あな)があり、それが連なることで脊柱管を形成しています。 脊柱管の中には脳から繋がる神経の束である脊髄が存在し、脳と身体を繋ぐ神経の通り道となっています。 脊柱両側の皮膚温度からわかること 24個の椎骨の間と仙椎部から左右に脊髄神経が出ています。 また皮膚の下には無数の毛細血管が張り巡っています。 脊柱両側の皮膚温をスキャナーで読み取ると、椎骨レベルで温度が低いところ、 (もしくは全体的に温度が低い)または左右の温度差が大きいところが明確になります。 それらは血管の調整が上手くいっているか、いないかを可視化したものなのですが、 ポイントは血管の調整は自律神経が行っているという点です。 左右の温度差が0~0.3℃がNOMAL(普通)で緑色、 0.8℃~2.0℃の温度差はSEVERE(酷い)で赤色に表示されます。 上図は右がアジャスト前、左がアジャスト後です。 アジャスト前(右図)では第一頸椎レベルの温度が右側の方が0.8~2℃低くなっていることが分かります。 アジャスト後(左図)では温度差がなくなり首から腰までほぼ均一になっています。 こちらは左がアジャスト前、右がアジャスト後です。 自律神経の乱れという言葉を耳にしますが、文字通り左右の温度がバラバラです。 上部頸椎のアジャストメントにより自律神経が整うことで時間と共に身体は変わりますので、 症状緩和を目的とした対症療法や薬剤は必要ありません。 こちらは温度差ではなく、実際の温度です。 左がアジャスト後、温度が高くなるとバーの横幅が広くなっています。 アジャスト後、副交感神経が優位になり血管が拡張し血行が良くなっています。 多くの方がポカポカして温かいと言われます。それを客観的に示します。 温度差がなく、温度が低くない状態が理想です。
これらは身体をコントロールしている自律神経の状態を確認する指標になっています。 |